第3章 対局中に役立つアイテム(事柄)
KataGo(CPU)の例で説明します。
【 (黒)勝率チャート/(黒)目数差チャート 】
対局途中の形勢判断を示すグラフです。
進行中の1手1手について黒白どちらが優勢になったかをAIが判定し、グラフに表示されます。
ゲーマーにとって、よい判断材料になります。
1.(黒)勝率チャート
図C01
チャート(グラフ)は 画面の右上部にあります。
図C01のように縦軸は 「(黒)勝率(%)」 、横軸は 「手順番号」 になっています。
左の碁盤は、4子局で白19と打ったところです。(白は右下の参考図のAに打ってきます)
チャートを見ると、白第1手を打った時からW19(白19)まで、黒の勝率は100%近くが続いています。
これは置碁だから初めは黒が優勢なのは当然ですが、進行するにつれ勝率が下がってくるのが常でしょう。
勝率50%以上は黒優勢、50%以下は黒劣勢ということになります。
2.(黒)目数差チャート
図C02
同じ局面で、チャートを「(黒)目数差チャート」に切り替えますと、
グラフの縦軸は「(黒)目数差」とあり、W19の時点で黒は白より29.8目ほど勝っているとAIは判断しています。
■図C03と図C04
KataGo(CPU)とLeela(ネット囲碁学園とは別のプログラム)を、KataGo先番の互先で戦わしたときのチャートです。
図C03
KataGo(黒)とLeela(白)は50手位までは互角、150手までは黒やや優勢、その後黒は極端に劣勢になりましたが、
200手過ぎから徐々に挽回し、終盤にLeelaの大ミスがあって、黒267手目でLeelaが投了しました(黒の中押し勝ち)。
図C04
同じ対局の経過を目数差のグラフで示したものです。白が投了したときに、黒は49.7目ほど勝っていたことがわかります。
(注:この結果だけでKataGo(CPU)とLeelaの棋力を論じることは出来ません。
それは、使用パソコンの性能によってAIソフトの能力(棋力)が左右されるし、
またAI考慮時間も棋力に関係するからです)
【 自己検討 】
対局中のある局面で、どう打てばよいか自分で検討するときに利用します。
実例で示します。
図C05
図C05はKataGo(CPU)と4子で対戦中の局面です。
右隅の黒ですが、黒◎と脱出すると、白▲と受けてきました。
整形法(石の形を整え治まる方法)の手筋として、ツケコシを打とうと思うのですが、白が予想外の応手をしたとき、
どう対応するかなど検討する場合に 「自己検討」 を 使用します。
@中央欄の下方にある「自己検討」をクリックします
図C06
A画面の右に「検討」画面が出ます(図C06)。
この「検討盤」で自由に石を並べて検討することが出来ます。
図C07
B図C07は検討盤です。
自分で黒1白2黒3と打ってみます。
このあと、普通は白Aと抱え、黒Bとアテて整形するのですが、
もし白がBと打ってきた場合どうするか。
図C08で検討してみましょう。
図C08
白4に対して、黒5と下がり、以下黒15まで、黒の1手勝ちです。
図C08の赤枠に8つのボタンがありますが、
1手戻る・進む、10手戻る・進む、最初に戻る・最終手へ、前の変化・次の変化
の働きがありますので、活用してください。
B検討が終わったら、検討画面の右上隅の×をクリックして検討盤を閉じます。
Cそして対局を続けます。
【 AIヒント 】
対局中のある局面で打つ手に迷ったとき、AIのヒントがあります。
図C09は4子の置碁ですが、白19に対して黒20の対応をAIヒントで知りたいとします。
中央欄の最下にある 「AIヒント」 をクリックします。
図C09
図C10の右下にある参考図の碁盤にAからEまで5通りの着点候補(AIヒント)が示されました。
図C10
右端の緑色の表はAからEの各着点の評価を示しています。
例 A 99.8 ・・・勝率 (評価値)
49 ・・・プレイアウト数 (検索数、AIが先読みを行った回数)
45.1・・・ 目数 (この手を打てば、45.1目勝つだろうとの予測)
同様に B〜E にもこれら3項目の数字が記されています。
勝率の大きいもの順とはなっていませんが、
AIは A に打つことを推奨しているのです。
各着点に打った後の展開予想図は、その着点にマウスの矢印を当てると図示されます。
AとBだけを例示しておきます。
図C11A 黒がAに打ったときの展開予想図
参考図の碁盤上のAにマウスの矢印を当てると、この図が出る
図C11B 黒がBに打ったときの展開予想図